松山JCとは

理事長所信松山青年会議所 第66代理事長 近藤譲治からのメッセージ

松山青年会議所 第66代理事長 近藤譲治

わが国では、テクノロジーが急激に進化し、格差社会、地域創生などの言葉をよく耳にするようになった。また、長期のデフレーションやサブプライムローン問題に端を発する世界的金融危機による経済不況、地方都市の人口減少や東京一極集中による地方の高齢化や過疎化などの問題に直面している。そのようななか、地域が自立し、それぞれの地域の特性を考え、地域の産業や文化を活かした地域経済の活性化、人の還流、次世代を担う人財の育成、雇用対策、結婚・出産・子育て支援、防災や減災といった様々な課題に取り組まなければならない。私たちの住み暮らすまつやまも同様に多くの課題を抱えている。私たち青年には、責任世代として困難を恐れることなく逆風の中であれ突き進み、それらの課題を解決して明るい未来を切り拓く使命がある。

はじめに

私は1978年3月に松山市で生まれ、松山市で男3人兄弟の長男として育った。幼少期から温和な性格であり、名前の通り“譲”って“治”める子どもであったが、どうしても譲れないものには断固として立ち向かう頑固さも持っていた。少年期は水泳に勤しみ体力をつけ、またメドレーリレーの選手としての機会もいただき、チームプレーと個人プレー両方を学んだ。その後大学時代4年間を広島で過ごしたことがきっかけで、それまで以上に地元まつやまを好きになった。卒業して松山の電気工事会社に就職し、人生で初めてといっても過言ではない修練を積んだ後、父の営む電気通信工事会社に入社し、少しずつ家業を継ぐことを意識し始めた。2011年3月11日に息子が生まれ、幸せの絶頂期のその日、奇しくも東日本大震災が発生した。テレビの衝撃的な映像、甚大な被害を目の当たりにし、自分や身近な人の死を意識させられた。そして、それまで意識したことが無かった親の死をはじめて考えた。さらに、自分や身近な人の死を意識することで、私はそれまでの人生の薄さを認識し、またそれまでの世界の狭さを実感した。こうして、自分の世界を広げるとともに人生の深みを増すためにどうすれば良いのか悩んでいる最中、運命的な出会いをきっかけに松山青年会議所に入会した。そこには同世代の青年の、私の想像をはるかに超える活躍があった。第63回全国大会松山大会開催直前の2013年7月であった。それから私の世界は驚くほどに広がっていった。

「知行合一」

私の座右の銘であり、私が物事を学ぶ姿勢の原点である。知識を得ても行いを伴わなければ真に知ることにはならず、また行いばかりにとらわれ、知識を得なければ真の行いではないということで、正に青年会議所を表す言葉と言える。実行と学びを繰り返していく中で、私たち自身が志を抱き、地域や日本を変革していく原動力になっていくのである。

会員拡大

数は力なり。青年会議所活動を通じて様ざまな経験を積み、松山青年会議所を最前線で支えてきた多くのメンバーが卒業を迎えている。力強く運動・事業を推し進めていくにはやはり多くの会員が必要である。しかしながら青年会議所の運動・事業に共感できない会員を増やしても、運動・事業を力強く推し進めることはできない。メンバー一人ひとりが会員拡大に対する意識を日々持ち続け、積極的に入会を勧める運動を行いたい。そして、入会候補者には、青年会議所の目的や運動・活動及び会費等に関してしっかりとした説明と意思確認を行い、入会を勧めていきたい。

また、新入会員には新入会員カリキュラム等を通じて青年会議所運動の基本理念や魅力を学んでいただき、これからの松山青年会議所を支えるメンバーとなるように育成を行っていきたい。入会したメンバー一人ひとりが運動・活動を理解し、自分の言葉で情熱をもって青年会議所の理念を市民に伝えられるようになることで、それに共感していただいた市民が能動的・自発的に青年会議所への入会を希望するようになる。それこそが理想とする循環型会員拡大である。

また、今後30年以内に70パーセント以上の確率で起こるとされる南海トラフ地震をはじめとする災害に備え、知識と意識をもって行動し、さらには地域に発信できる人財を育成することが必要である。青年会議所メンバーをはじめ多くの人に防災意識を広く醸成していきたい。

ブランディングの強化

青年会議所の市民への認知度を高めていくには、統一感を持った情報発信をはじめ、戦略的な広報活動を行う必要がある。市民に「この事業も青年会議所さんが行っているんだね。」というイメージを数多くもっていただき、青年会議所活動の認知度を上げることが必要である。ブランディング指針を策定し、しっかりと検証を行い、必要であれば改訂を行いたい。また、MJCやFacebookなどのSNSをはじめ、市民により親しみやすく分かりやすい発信を行い、事業への参加、参画に結びつけるとともに、青年会議所の運動を発信し共感していただき、より大きな運動に繋げていきたい。また、わかつばきにおいて活動内容を行政・関係諸団体・シニアクラブの方々に効果的に発信をしていきたい。

さらに、道後温泉を主体に行われていることばを送る基金事業は2014年度に開始して5年目の節目を迎える。2018年度は、地域との連携をより深め、ことばを大切にするまちまつやまをより浸透させ、さらなる進化をさせていきたい。

公益社団法人としての信頼

公益社団法人移行4年目として、いま一度公益性を踏まえ、会員からの信頼と負託に応えるべくガバナンスを強化し、地域から信頼される組織を築き上げていかなければならない。より主体的に参加できる総会を開催し、効率的な諸会議を行ない、組織内の規律意識を強め、活動への参画の士気を高め、統率された強固な基盤を形成していきたい。また、公益目的事業、共益事業、法人会計の透明化を図り、公益目的事業比率などを管理するとともに事業の費用対効果を議論し、しっかりとした予算・決算を通じて適正な財務運営を行うことで、財務体質の健全性を確保し、信頼ある組織の運営ができるようにしていく必要がある。総務・渉外、事務局、財政局には、私たちの運動を下支えする非常に重要な役割がある。地域に最も信頼される団体になるために総務・渉外、事務局、財政局が一丸となり組織運営を行っていきたい。

品格ある人財の育成

入会当初、私は青年会議所に対して悪いイメージをもっていた。それは酒の飲み方や、言っていることとやっていることの矛盾が多々あったからだ。しかしそのイメージはすぐに変化した。何故なら「青年会議所」が悪いわけではなく、多様性を持った個の集合体が「青年会議所」であり、その一部の個が「青年会議所」の評価を下げていることに気付いたからである。真に青年会議所が社会に理解されていないのであれば、66年という歳月を乗り越えられなかったはずである。明るい豊かな社会の実現を目指すその理念は、今もなお社会に求められているのである。しかしながらその一部の個の影響は大きく、明るい豊かな社会を築き上げる妨げになっていることも事実である。私たちは青年会議所メンバーである前に、一社会人であることを忘れてはならない。私たちは日々の生活で多くの人と接しており、その言葉や意識、立ち振る舞いによって、青年会議所がどのような団体であるかを判断される。私たち一人ひとりが社会から信頼され必要とされなければ、市民の意識を変革することはできないのである。いま一度、メンバー一人ひとりが、日々の生活においても品格ある青年として社会的・国家的・国際的な責任を自覚する必要がある。そして、私たちがそれらの魅力あるひとづくりを続けている限り、地域からの信頼と私たちの必要性が途絶えることはないと思う。さらに、ひとがまちをつくり、まちがひとを育てるという好循環を私たちがしっかりと作らなければならない。

また、2010年度から毎年、愛媛マラソンでは参加者へのおせったいとして、いもたきを実施している。2018年度も積極的に地域事業である愛媛マラソンを支援するとともに、松山青年会議所が品格ある青年の団体であることを強く発信していきたい。

地域文化の活性

毎年春に開催される松山春まつり(お城まつり)は市民参加型の事業として多くの市民に愛されながら、2017年度に開催50年を迎えた。節目として、大名武者行列及び春まつりin堀之内が2日間にわたり開催された。春まつりin堀之内に関して、堀之内を松山市民の憩いの場として定着させることが目的であったが、その目的は十分に達成されたため、新たなる試みが必要である。市民が主体的、自立的、創造的に取り組み、地域がより活性するような事業構築を行いたい。

また、日本最古といわれる道後温泉に新たな温泉施設「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」が、飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋として誕生した。道後温泉本館が部分改修工事になるが、飛鳥乃湯泉をはじめとする道後の魅力を発信し、国際観光温泉文化都市の中核を担う道後地域を活性化させていきたい。

国際交流の機会創出

国際観光温泉文化都市であるまつやまに住み暮らす青年として、海外からの多くの観光客をお迎えするにあたり、さらなる地域の魅力を感じていただくためには私たち自らが国際感覚を養う必要がある。青年会議所だからできる国際交流の機会を設け、身近で当たり前に国際の機会がある地域の未来を創造していきたい。

また、私たちが国際交流について考えるということは、その過程において私たちの住み暮らす日本を、そしてまつやまを強く意識することになる。日本やまつやまの魅力を再認識し、それらを多くの人に広く発信していきたい。

地域と連携した次世代育成

生産年齢人口の減少が進む中、国際社会での生き残りをかけて、経済成長を維持するためには労働生産性を高めなければならず、その意味でも次世代を担う人財教育の重要性が問われている。少子高齢化、核家族化の進む中、他者とのコミュニケーションやそれに伴う経験、体験の不足は、社会の中で様々な問題を起こす一因となっている。そのようななか、地域活性化に繋がる事業として第3回目を迎える「まつやま活性化コンテスト」を行い、体験型、体感型の事業を通して様々な経験を提供し、次世代を担う人財を育成するとともに、行政や他団体との連携を強化していきたい。

青少年の育成

東京青年会議所が行う「わんぱく相撲全国大会」の地方予選として、毎年「わんぱく相撲まつやま場所」を開催しており、2017年度には30年記念大会を行った。次の10年に向けて、次世代を担う青少年の健全な心を育成し、子どもたちを取り巻く環境の変化に対応し、課題解決へ導くことが求められる。親たちが子どもたちを守る確固たる信念を持ち、子どもの心に日本人の道徳心を育み、子どもの未来を明るく照らしていきたい。そして、参加する小学生の心身の健全な成長を促し、社会生活に必要な徳性を養うとともに、豊かな多様性から生まれる価値観を育んでいきたい。

また、子どもの貧困をはじめとするまちの課題は2018年度も引き続き調査・研究・検証を行い、青年会議所ができることを形にしていきたい。

全国大会とその後のまつやま

2014年度に主管させていただいた第63回全国大会松山大会を経て、まずはまつやまがどのように変わったのかを検証する必要がある。全国大会は通過点である。その通過点は私たちの運動を加速的に飛躍させるものであったのかどうかしっかりと検証していきたい。また、第63回全国大会松山大会にご協力をいただいた市民や行政に検証結果を報告するとともに、四国のアイデンティティである癒し・いたわりのお遍路文化「おせったいの心」、人の意識を変え未来を切り拓く「ことばのちから」をさらに醸成するべくまつやま市民シンポジウムを開催したい。

また、2019年度には全国大会松山大会5周年記念式典を開催し、全国の同志に向けて報告を行う必要があり、そのための準備も2018年度から行いたい。

機会に対する新たなる一歩

近年は動員が目的だと伝わったり、出向が負担だと伝わったりする傾向が続いている。しかし青年会議所の様々な大会等に赴けば、その地域とその地域の市民性に触れることができる。そのことによって初めて自分の住み暮らす地域と自分自身を知ることとなる。出向をすれば、広い社会を実感することができるし、そのことによって見識が広がり、ひいては自分自身の研鑽や自信に繋がり、地域への愛着心や誇りとなるのである。 また出向は多くの人との出会いの場である。出向できるかできないかは、環境やタイミングによって人それぞれである。しかしその機会が訪れたとき、是非前向きに考えてもらいたい。そのような機会が40歳を過ぎてもあるとは限らない。出向も青年会議所の魅力のひとつであることは紛れもない事実である。 出向先で運動・事業に切磋琢磨することで多くの人に磨かれる愛媛ブロック協議会、四国地区協議会、日本青年会議所、国際青年会議所(JCI)への出向経験はメンバーの資質向上になると確信している。

結びに

青年会議所との出会いは偶然ではなく、必然であると私は思う。40歳での卒業まで、その限られた時間の中で多様性に触れることのできる貴重な機会である。豊かな多様性のなかで均衡をとるのではなく、調和していくことで新たな価値観を身に付けたり、新たな地域資源を創出するなど無限の可能性がある。できる限り多くの役割や責任を自ら掴み取って行動しよう。何かを為そうと行動するとき、その道が大きな壁に阻まれ苦しく辛い時がある。しかしそれは自らの学びや、成長のチャンスである。思い切って一歩踏み出すことで、理解できることとできないこと、自分に足りないもの、学ぶべきことが見えてくるはずである。そして実行と学びを繰り返しながら己の徳を積んでいく。さらに共に歩んでくれる多くの仲間との絆を深めることができる。失敗を恐れず青年らしい熱い想いで共に学び未来に向かって成長しよう。その成長こそが明るい豊かな社会の実現へとつながると確信している。

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