松山JCとは

理事長所信松山青年会議所 第67代理事長 杉野康雄からのメッセージ

松山青年会議所 第67代理事長 杉野康雄

高度経済成長の頃、日本の社会は「一億総中流」と言われ、格差が小さいとみられていた。しかし、バブル経済崩壊後の長い不況の時期に多くの人が格差を感じるようになり、その一つに大都市と地方の地域格差がある。所得、教育、人口、医療、インフラとさまざまなところで格差は生じている。大都市と地方との格差は年々広がる一方である。大都市への人口流入が続く一方で地方の過疎化が深刻化し「消滅可能性自治体」という言葉も生まれた。一極集中の経済ではなく、各々の地方での特性を活かし、地方が立ち上がり自立することこそが、日本の未来を明るく照らす近道だと確信している。まずは青年経済人である私たちがこの地域について語り、私たちの住み暮らすまつやまはどうあるべきか、どのような未来が望ましいかを考え行動し、この地域が力強く前へと進む原動力とならなければならない。

はじめに

1980年5月、私は長男として松山市で生まれ、少し年の離れた姉2人の影響もあり、どちらかというと大人しく引っ込み思案な性格だった。体を動かすことが好きで小学4年生の時、サッカーと出会い、中学校卒業後には親元を離れ、国立への憧れのみを持ち南予の高校へと進学した。そこで初めてみた景色、全国レベルの高さに衝撃を受けたことは今でも鮮明に覚えている。サッカーを通して勝負に勝つ為の努力、仲間を信じる気持ちや思いやる気持ち、一つの事に本気で取組むことの素晴らしさ、上下関係、多くのことを学ぶ機会をいただいた。その後、東京での大学生活を経て、家業である建築、不動産の経験、修行を積み、2011年3月に帰郷した。JCとの出会いも同年9月。入会当初は戸惑うことも多く、JCとは何なのか、この団体の存在意義は何なのか、自問自答を繰り返した。しかし、第63回全国大会松山大会に向けて本気で取り組む先輩の背中を間近で見て感じたこと、尊敬できる先輩との多くの時間を共有させていただいたことにより、私の心と行動が“前へ”と動き出したのである。

前へ

これは、明治大学ラグビー部の礎を築いた北島忠治元監督の言葉である。

長い人生だから多くの障害物にぶつかるだろう。かわすことによって乗り越えられる障害物ならいい。しかし、本当に大きくて深刻な問題と直面した時は、体当たりで乗り越えていくしかない。それは常日ごろから、何事にも体当たりで進むように心がけていなければならない。いつものクセでかわしてやろうなんて考えれば足をすくわれて、きっと痛い目にあうだろう。

とにかく“前へ”。ためらわずに“前へ”進め。

これはつらく長い道のりかもしれない。しかし、この思想と行動こそゴールへの一番の近道だと私は確信している。

地域に信頼される組織として

私たちの運動に対して地域の皆さまに信頼していただく、必要としていただく、共感していただく為には、まずは組織強化が必要である。総務、財政局に関しては、組織を動かす上で担いは大きく質の高い運営が求められる。各運動、事業では法令違反がないかを見極め、リスクヘッジも図る必要がある。
総務は組織とメンバーを支える、いわゆる組織の中心となる。会議は私たち青年会議所、運動の根幹であり、総務と事務局が連動して質の高い設営をしていかなければならない。松山JC最高意思決定の場としての総会の重要性をメンバーに周知し、松山JCの活動目的の意義、組織の存在意義を改めて考える場としなければならない。
そして財政局では公益目的事業、収益事業等、法人会計の透明化を図り、公益目的事業比率を管理していかなければならない。また、事業の予算・決算を厳しく審査し、併せて費用対効果についても議論を重ねる必要がある。

効果的かつ戦略的な情報発信

近年、社会全体の流れで広報の考え方、あり方が急激に変化している。紙媒体の物からホームページ、フェイスブック等のSNSでの広報が中心となってきている。しかし、紙媒体の広報、SNSでの広報をバランスよく使うことで相乗効果が生まれる。紙媒体の強み、SNSの無限の可能性を追求し、更にはどのような広報が有効かつ適正なのかを検証し、適時適所な広報を展開していかなければならない。そして、私たちの行っている全ての運動、事業の認知度を向上していく為には、まずはメンバー一人ひとりが広告塔となり、身近な方にJCの魅力を伝える、事業の魅力を伝える、そして各事業では“松山青年会議所”を全面に出し、地域の多くの皆さまに知っていただく事こそが松山JCのブランド力強化につながると確信している。

まつりでまつやまにインパクトを

毎年春に開催される松山春まつり(お城まつり)。多くの地域の皆さまにも参加いただける事業として連綿と受け継がれてきている。大名武者行列や市民パレードの参加者の皆さまには、まつやまの歴史文化に触れていただき、春まつりin堀之内では、この地域の食や文化を幅広く発信したい。事業を通して参加者の皆さまには改めてこの地域のたからを再発見、再認識していただくとともにひとりでも多くの笑顔の創造、まつやまの活性化につなげたい。
また、2019年度には長期にわたる道後温泉本館の保存修理工事も予定されており、道後の観光経済に影響を及ぼすと懸念されている今、道後の新たなブランドの創出も必要だと考えている。そして道後の新しい文化として根付いてきた道後温泉一番走りでは、参加者、観客の皆さまに道後の魅力を再発見、再認識していただき、道後のまちに大きなインパクトを与える事こそがこの地域の発展に寄与するものだと確信している。

国際観光温泉文化都市松山の未来へ

近年、インバウンドの増加により、松山のまちは活性化しているように見えるが愛媛県への訪日外国人観光客の訪問者数は全国で37番目と遅れをとっている。この結果を鑑みてもインバウンドの強化はこのまちの緊喫の課題である。今後、インバウンドを増加していくには来松された方のストレスを極力少なくすることが必要である。大きな改善ではなく少しの気遣いがあらゆる所で感じられる、これこそリピーター確保の一番の近道だと考えている。来松された外国人の方にまつやまの魅力を知って、感じていただくとともに、まつやまを好きになっていただき、自ら住み暮らす国へまつやまの魅力を発信していただきたい。この好循環を創造し、インバウンド増加につなげたい。

忽那諸島の活性化について

忽那諸島では人口の約65%が65歳以上と、深刻な超高齢化社会を迎えている。忽那諸島の各島には特色があり、多くのたからが存在している。忽那諸島の各島に共通していえるのは、海、山、魚、みかんと愛媛のたからが集約された場所である。しかしながらそのことを知っている方は少なく、一度も島に行ったことがない方も多く存在する。島のたからを発信するとともに、まずは多くの方に島に足を運んでいただきたい。特に若い世代の方に島のたからを目で見て触れて肌で感じていただきたい。多くの方が島のたからに共感していただくことで島への導線が生まれ、ひいては島の活性化につなげたい。

ことば溢れるまつやま

ことばのまち、まつやま。このまちには多くのことばが溢れている。空港、路面電車、観光地、多くの場所でことばに触れることができ、優しさ溢れることば、ホッとすることば、力強いことば、文学を感じることば、さまざまなことばに勇気づけられ、前向きになり、意識が変わる、これこそが私たちの住み暮らすまつやまのアイデンティティである。原点に立ち返り、私たちのまちの魅力は何なのか、この地に宿ることばとは何なのかを検証し、溢れることばに触れていただき、“ことばのちから”、“ことばの魅力”を感じていただける運動、事業を展開していきたい。

若きリーダーの人財育成と会員拡大

組織とは個の集合体であり、個の成長なくして組織の成長は成し得ない。メンバーの資質向上をしていく上でJCには多くの機会が溢れている。日本青年会議所への出向、各地県内外で開催される大会・周年事業、青年会議所内での役職、私たちの行っている運動・事業、すべての機会が人財育成プログラムといっても過言ではない。一つの事に対して機会と取るのか、負担と取るのかで結果は大きく変わり、せっかくやるのであれば、前向きに前のめりに物事を捉えなければならない。また、私たちの基本運動でもある会員拡大も急務である。その為には、メンバー一人ひとりがJCの魅力をしっかりと伝えることのできる人財、このまちの魅力を語れる人財、夢を語れる人財を育成することこそが会員拡大につながると確信している。

未来を担う人財育成

わんぱく相撲まつやま場所では青少年の育成事業として子どもたちの心身の健全な成長、社会生活に必要な徳性を養う機会を提供したい。また、武道としてスポーツとして勝負の厳しさ、勝つことの喜び、負けることの悔しさ、勝った方への敬意、負けた方への配慮を体感していただきたい。また青少年の育成事業を通して私たちJCメンバーも成長の機会としなければならない。
まつやま活性化コンテストでは、高校生、大学生を中心に社会人基礎力の向上と事業実施対象地域の活性化を目的とし、更には持続可能な事業へと展開していきたい。
子どもの相対的貧困率は15.7%と約6人に1人の子どもが貧困と直面している。松山JCとしてもこの課題に今何ができるのかを考え、未来を担う子どもたちに夢を与える運動を展開していきたい。

全国大会松山大会5周年記念大会に向けて

取り戻せ、日本の矜持を!~「ことばのちから」が「たくましい国」日本へと導く~を大会テーマに掲げ第63回全国大会松山大会を主管してから早5年の月日が経とうとしている。そして、全国大会松山大会5周年記念式典・祝賀会では、全国各地より再び集っていただいた皆さまに“ことばのちから”と“おせったいの心”を体感いただき、少しでも当時の記憶を蘇らせられるような設えを実施するとともに、全国大会を経験してまつやまがどのように変わったのか、松山JCはどのように変わったのかを発信したい。そして、全国大会主管を経験させていただいたLOMとしての責任と自覚、感謝の念を持ち、新たなる歴史の一歩を踏み出したい。

今、私たちにできる災害の備え

南海トラフ地震の発生確率は年々上がり、この30年間での発生確率は80%とまで言われている。2018年7月にはこの地域も西日本豪雨災害で被災した。松山市でも島しょ部や高浜地区での被害は大きく、愛媛県でみれば、宇和島市、西予市、大洲市の被害は甚大であった。異常気象の影響もあり、豪雨による水害、土砂崩れ、台風、地震、津波と多くの災害が想定される中、まずは自分の命をどう守るか、家族をどう守るのかを考えるとともに災害が起きた時、被災した時に何ができるのか、何をするべきなのかを考えなければならない。そして松山JCとしても災害時に何ができるのかを検討し、災害に備えなければならない。

日本青年会議所や他団体との連携

日本青年会議所には多くの機会が溢れている。人を知り、他の地域を知り、さまざまな価値観に触れることで確実に自己成長へとつながる。是非とも多くのメンバーにこの機会に触れていただきたい。また持続可能な社会を実現するためにSDGsの推進にも力を入れていきたい。
産官学金労言との連携を積極的に図ることで私たちの行う運動、事業には無限の可能性が広がる。松山JCという枠にとらわれることなく外部の団体にも目を向け、幅広い視野で多くの可能性を追求することこそが、地域にインパクトを与える運動、事業構築への近道だと私は確信している。

結びに

人との摩擦をなくして成長なし。自分の狭い見識の中だけで物事を見ていないだろうか。時には人との衝突も必要で、自分の価値観と人の価値観を摩擦させることにより、感覚や感性は研ぎ澄まされる。そして多くの経験を積むことにより価値観は厚みを増す。私たちには多くの同志が居るし、連綿と松山JCの歴史を紡いで来られた多くの先輩も居る。自分のビジョンを多くの方にぶつけてほしい。自分の夢を多くの方に語ってほしい。それこそが真の価値観につながる。

前へ
とにかく“前へ”。ためらわずに“前へ”進め。

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