松山JCとは

理事長所信松山青年会議所 第65代理事長 今城靖浩からのメッセージ

松山青年会議所 第65代理事長 今城靖浩

1990年代から現在に至るまで、失われた20年と言われた日本経済は未だ安定せず、かつて、新興国と言われた国々の追随を許し、経済的な優位性を取り戻せないでいる。近年、世界経済を揺るがしたリーマンショックや、東日本大震災・熊本地震を含む様々な国難が日本を襲い、この国の脆弱な部分が垣間見えたことは記憶に新しい。しかしながら、それらから少しずつではあるが立ち上がっていく力強さと、お互いを支え合い助け合いながら生きていく日本国民の姿は、日本人としての誇りを感じずにはいられない。ただ、こういった状況とは裏腹に、現在の日本社会は様々な問題を抱えており、単純に頑張るだけでは解決することができない『格差』の広がりが社会問題となっている。
格差社会で起きる問題の一つとして、『貧困』という私たちにとってあまり現実味を感じることのできない状況が実際に起きている。例えば厚生労働省は、子どもの貧困率を日本に住む子ども全体の16.3%、つまり、国内の子どもたち6人に1人は貧困だと最新の情報として発表している。経済が低迷状態にあるとはいえ、1日3食の飯が満足に食えない深刻な貧困の子ども、親が忙しすぎて毎日ひとりで食べている子ども、勉強を教える親がいないために学習の方法がわからない子どもなど、社会で起きている問題のしわ寄せが子どもたちに掛かっているのである。世界的水準から見ても裕福なこの国でこういった子どもたちが大勢いるという事実から決して目を背けてはならず、この国が本当に正しい道に向かっているのかを私たちは見極めなければならない。
私たちが住み暮らすまつやまも同様の問題を抱えており、我がまちがより住みよい地域になるためには喫緊に解決しなければならない課題が数多くあることは想像に難しくない。
「青年」それはあらゆる価値の根源である。そうであるならば私たち青年は、将来この日本を支える『青年の卵たち』が成長し、立派に巣立っていくことのできる希望ある社会をしっかりと構築していかなければならない。

はじめに

私は幼い頃、どちらかというと大人しい性格だった。当時はまだテレビゲームなどが普及しておらず、近所の子どもたちとよく田んぼや空き地で遊んでいた。そして、大好きだった虫や蛙や蛇を捕まえては家に持ち帰り、よく親に叱られたものである。まだ私の住む地域にも多くの田園があり、そういった生き物たちが身近に沢山いた時代に私は生まれたのである。
少年期にプラモデルやラジコンなど、物を作り上げることに何よりも喜びを感じていたこともあり、社会人になってからは、自動車のメカニックや三重県鈴鹿市で2輪レースの世界など華やかでありながら、職人のような技術屋が集まる厳しい業界で数年を過ごした。このような環境で社会人としての経験を積んだ後、松山に戻り父が経営する会社へ入社したのである。そして、2007年に松山JCの門を叩いた。入会当初、今まで一人の世界で仕事をすることが多かった私の目には、志を同じうする同世代の青年たちが本気でこの地域のために汗を流している姿が、とても輝いて映っていたことを今でも鮮明に覚えている。

チャレンジをして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。

これは、言わずと知れた一代でホンダを世界の企業にまで築き上げた創業者本田宗一郎の言葉であり、そして、私の意識をより高める言葉でもある。さらに、この言葉の後に私はこう続ける。

結果は後から付いてくる。

人生のあらゆる局面において、まずは第一歩を踏み出すことができれば必ず『結果』は付いてくるのである。それが困難な道のりであっても未来を想い描いたビジョンが明確であり、且つ、それに立ち向かう英知と勇気と情熱があれば必ず正しい道に進んでいけると信じている。青年会議所とはそういった、勇気ある一歩を踏み出せるリーダーを育成するための学舎だと私は考えている。私たちが、この学舎で様々な成功や失敗を経験し成長することで、この地域を明るい豊かな社会へと導くことが出来ると確信している。

最も信頼される団体として

2014年4月1日に公益社団法人に移行し4年目を迎える中、この3年間で積み上げてきた経験を活かし、より公益性の高い事業の構築や、公益事業比率の高い財務体質で活動を行っていかなければならない。青年会議所は会議をする団体である。質の高い会議を運営していくために定款・諸規則の精査をしっかりと行ったうえで各事業においては法令違反がないか見極めていきたい。
また、財務に関してはこれまでと同様に事業の予算・決算を厳しく審査していくと共に、より透明化を図り外部からの信頼を得たい。さらには、全体の監査についても外部から監事を招聘し、より健全性の高い組織運営を行いたい。
第63回全国大会松山大会の主管をさせていただいた私たちは、大会で強固になった愛媛ブロック協議会・四国地区協議会との関係だけでなく、行政・関係諸団体・企業・各地青年会議所とのつながりを決して絶やしてはならず、これまでに得た信用をさらに積み上げていくために様々な運動事業に積極的に参画していく必要がある。総務・渉外・事務局・財政局においては、これらの運動を下支えする非常に重要な役割があり、最も信頼される団体になるために一丸となり組織運営を行っていきたい。

若きリーダーの育成

数は力なり。これは民主主義における基本原則の一つである。そして、JC活動を行っていくうえでも同様のことが言える。しかしながら、現在全国のJCメンバー数は減少の一途をたどり、存続することを諦めたLOMが存在することも事実である。これは、JCだけが抱えている問題だけではなく、様々な団体が同様に頭を悩ませていることでもある。ただ、この日本そのものの人口が減少している中で、会員拡大に成功している事例があることも確かである。私たちは、この地域に見合った会員拡大の手法をいち早く見つけ出し、行動しなければならない。
松山JCの運動や魅力を、より多くの青年に伝えていくためには一人の力ではなく松山JCメンバー全員の力が必要である。そして、一人ひとりが青年会議所の魅力をしっかりと伝えることができなければならないと考えている。また、修練・奉仕・友情の三信条の下、JC活動を通じて得た経験は必ず個の成長につながるものであるし、その成長に比例し個の魅力は大きくなり人を引き付ける力となる。さらに一人でも多くの同志を増やし運動の輪を広げていくために、魅力ある地域のリーダーの育成に力を入れていきたい。

効果的・戦略的な情報発信

今日まで私たちが本気で取り組んできた運動は決して自己満足で終わらせてはならず、しっかりと対内外に発信しなければならない。また、2017年度は松山JCが産声を上げて65年目の年となる。この節目の年を対外事業にて戦略的に発信し、松山JCのブランディングを強化すると共に、松山JCが携わっている事業を広く認知していただくことにより、より多くの市民を巻き込んだ運動を展開していきたい。
MJCではJC活動に伴うタイムリーな情報発信をするだけではなく、この地域の方が活用できる情報を発信することで、JCをより身近なものに感じるものにしたいと考えているが、なんでも闇雲に発信するのではなく、JCのことを知らない人が見ても入り込みやすく理解のできる内容にしたい。
総合的な情報発信として、わかつばきにてよりブラッシュアップされた公式的な活動内容を行政・関係諸団体・シニアクラブの方々に効果的に発信したい。

明るい豊かな社会の実現に向けて

2017年度においても、2015年度に掲げた長期ビジョン・中期運動指針・基本行動指針に基づき構成された、2020年まつやままちづくりビジョン『100年経っても、“LOVEまつやま”』 を基本指針に各運動・事業を推し進めブレないまちづくりを展開する。

歴史・文化の発信

松山の歴史・文化を多くの市民に理解していただくことで、この地域に対する地域愛を育むことのできる発信をしたい。毎年春に開催する松山春まつり(お城まつり)は、2017年度に開催50年目を迎える事業として、この節目に相応しい開催50年記念松山春まつり(お城まつり)を構築したい。道後温泉一番走り〜湯上り頂上決戦〜においても、よりブラッシュアップし道後の魅力を掘り起こし、市民の皆様に体感をしていただきたい。お遍路事業においては、四国地区協議会の3カ年アクションプランの最終年度にあたるため、四国地区協議会との連携を強化し事業を展開したい。

地域の活性化につながる運動

現在、道後温泉を主体に行われていることばを送る基金は2016年に再考された5カ年計画を基に推し進めている。2017年度においても、ことばを大切にするまちまつやまをより浸透させるために、さらに調査・研究をしていきたい。
国際観光温泉文化都市であるまつやまは、海外からも多くの観光客が訪れているが、その数は年を追うごとに増加しており、外国人であってもまつやまの文化を堪能できる体制を整えていかなければならない。海外からの観光客を受け入れる体制を構築するためには、まずは私たち自らが国際感覚を養わなければならいと考えている。また、大学などを通じて海外留学生と交流をする機会を設け、我々の活動を理解していただくと共に、まつやまの文化に触れていただき、今後、より多くの外国人観光客を受け入れるための手法を調査・研究をしていきたい。

青少年育成のために

健全な青少年の育成のために、毎年わんぱく相撲まつやま場所を小学生対象とし開催している。2017年度も同様に、わんぱく相撲全国大会の地方予選としての位置付けとして開催するが、まつやま場所30年目の節目として、子どもたちの心身の健全な成長、社会生活に必要な徳性を養う機会を提供するだけでなく、参加された方や観客が満足する事業を教育委員会や相撲連盟の皆様としっかりと連携し構築したい。

地域と連携し次世代を育成する

私たちは、普段の生活の中で様々な選択を行ないながらその結果を残している。その結果の積み重ねが、人生という一人の人間の生き様を組み立てている。しかしながら、自分の意思とは関係なく地震や津波などの天災が人生を迷わせ、時には命を失いかねない事態に陥ることがある。ただ、『備えあれば憂いなし』とはよくいったもので、完璧な準備は出来ないまでも災害に対してある程度の準備と知識を備えておくことで、多くの生命を失わずに済むことがある。そうするためには、まず防災に対し市民意識を向上する事業を展開し発信しなければならない。
また、防災に関わることを発信するだけでなく、次代を担う人財を育成する運動が、まつやまの活性化につながるよう地域と連携し、次世代を醸成したい。

希望ある未来へ

私たちJCは、私たちの住み暮らすこの地域にある、少子高齢化に伴う人口の減少、核家族化、近隣住民とのコミュニケーションの希薄化、経済の低迷、格差社会など様々な問題に対し定義を掲げ運動を行っている。私たちが、これらの運動を推進していくことは決して無駄なことではなく、必ずこの地域の未来を明るく照らす灯火になっていると考えている。ただ、これらの問題の末端には、貧困という形に姿を変えた大きな負荷が、未来を背負って立つ子どもたちを襲っているという事実がある。
私たちは、この地域に住み暮らす子どもたちの未来に対してJCとして何が出来るのかを考え、様々な支援を実践し、それらの事業から得たことを基に解決策を検証しなければならない。また、様々な関係諸団体とも連携し調査・研究・検証を行い、まつやま市民シンポジウムでは松山市の現状を発信し市民に理解していただきたいと考えている。そして、松山JCの集大成として、このまちの子どもたちにとって希望ある未来が感じられるまちづくりを提言し、将来、『100年経っても、“LOVEまつやま”』と市民が想うまちになるよう貢献したい。

終わりに

踵を上げると、ほんの少し見える景色が変わる。もう少し背を伸ばすと、またその見える景色が変わる。その先はどうなっているのだろう?もう少し上の方から見てみたいと思った時、新しい発想が生まれ、新たな一歩を踏み出すことができる。つまり人間の成長は、ほんの少しの背伸びから始まるのである。ただ、私たちがこのまちの為に出来ることは一人ひとり違うし、またその歩幅も人それぞれである。それでも、背伸びをして努力した分だけ、人は成長をするのだ。そして、私たちには成長をしなければならない責任がある。何故ならば、このまちの未来は私たちが創るのだから。

まだ青臭さの残る青年だから、がむしゃらに出来ることもある。
失敗を恐れることなく、いろんなことにチャレンジをしよう。
JCだから出来ることがある。
JCでしか出来ないことがある。
さあ、勇気ある一歩を踏み出し、成長を実感できる一年にしよう。

〜為せば成る 新たなる一歩が 希望ある未来へとつながる〜

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