松山青年会議所 第72代理事長 三原 鉄平からのメッセージ
私は松山生まれではありません。
宇和島で生まれ高校卒業まで宇和島で過ごしていた当時の私から見た松山にはこの世の全てがあり、中学や高校のころ友人と松山に行くことは一大イベントだった。大きなデパート、3 車線の道路、地元には売っていないような服や靴等、どれをとっても憧れる大都会であり、今のように交通インフラも発達していない当時、家族と車で行くとしても片道2時間半の大旅行だったのを今でも覚えている。そんな私が就職を機に松山へ引越し、結婚し、松山青年会議所の門を叩いてから今日に至るまでの8 年間多くの経験をさせていただき、当時憧れていた松山は大好きな第2の故郷になるとともに、生まれ育った宇和島の気づくことのできなかったかけがえのない魅力も認識することができた。松山青年会議所との出会いは私の人生を大きく変えてくれた。
人生一度
自分の望まない状況になったとき、全力でやるべき時がきたとき、今日という日を大切にするとき、私はこのことばを思い浮かべる。一度きりの人生だから、やり直しのきかない年齢制限がある青年会議所活動は素晴らしいと思う。限られた時間の中を何度もくじけそうになりながら仲間とともに突き進んできたこれまでの青年会議所活動を振り返った時、私は何も後悔がない。手探りながらも地域を知り、その未来を考え、行動に移すことで得ることのできた多くの経験は私の人生観に大きな影響を与えてくれただけでなく、活動を通して想いを共有した仲間たちとの絆は一生の財産となった。日々変わっていく環境の中で何を選択し、誰とどう過ごすのか、厳しくも楽しく本気になれる仲間とともに行う運動は地域にも自分たちにもかけがえのない結果をもたらすと確信している。諸先輩方が築き紡いできた古き良き時代の想いや流儀その素晴らしき時代を踏襲しながらも、今の時代に合った形へ変化させるとともに、その経験や大きく変わった生活様式をこれからの運動に活かし、この先も変わることなくひとが輝きまちを照らし続ける団体として覚悟を持って突き進んでいく。
過去を知り未来を見据える
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4年ぶりに開催された2023 年度松山春まつり(お城まつり)は1967 年に松山城小天守閣再建の祝いから始まり、市民参加型の事業として多くの市民に愛されながら地域の歴史・文化を発信し続けてきた。これまで様々な工夫を凝らし、成熟された事業となった「祭」を今一度ルーツに立ち返り、市民の皆さまに楽しんでいただきながらも、その意義をしっかりと実感する事業として昇華させたい。
また、3 度目の開催となるマラソン事業ではより地域と一体となり事業構築を行うとともに参加者の皆さまに島しょ部ならではの魅力を体感していただき、関わった人皆に愛され地域に根付く事業として確立することで、さらなる将来性を見据え、島の発展につなげたい。 持続可能な国際の確立
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新型コロナウイルス感染症の影響で数年にわたり私たちは国際の機会を失っていながらも、水際対策緩和後の訪日外国人数は想定よりはるかに増加している。しかし、まつやま圏域へのインバウンドは十分に達成されたとは言いがたい状況が続いている。実際に外国の人々と関わらないと分からない温度感、人柄、言葉は通じづらくとも国境は無いというその意識を市民の皆さまへ伝播させ、まつやま全体での受け入れ体制を作らなければ前へは進まない。青年会議所という国際的な団体に所属している私たちだから得ることのできたこれまでの経験をもとに、国際観光温泉文化都市として世界に誇る観光資源を新たな形で活用し、私たちにしかできない国際を確立し地域を巻き込み持続可能な国際交流を生み出したい。
古き良き時代を踏襲した組織強化
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入会歴の浅いメンバーが大半で構成されている今日の松山青年会議所は、新しい取り組みやアイディアに溢れているものの、その一方で変えてはいけない伝統やしきたりを知らないメンバーが多数存在している。私たちが行う運動や事業全てに多くの関係諸団体や市民の皆さまの理解や協力があり、人を巻き込み地域を牽引するリーダーとなるためには私たちが信念を持った熱い人間でなければならない。変えるべきものと、変えてはいけないものを選択・決断し、共有することで未来へつながる組織運営の基盤を作るとともに、組織の秩序を保ち義理人情溢れる組織を形成したい。
個性に溢れ、響く想いに届くことばを
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趣のある街並みを色濃く残しながら、俳句や小説といった文学とともにまつやまは発展してきた。私たちは生まれながらにそのことばに触れ、自分を表すためにことばを活用してきた。SNS の普及により簡単に情報発信ができる現代で、広報媒体の選定や活用も大切なことだが、より効果的でありながらしっかりと想いを届けることのできることばを選択することが広報活動の根底にあると考える。まつやまに住み暮らし、ことばとともに成長してきた私たちにしかできない魅力溢れる広報計画を企画・立案・実践していくとともに、新たな情報や可能性を発信していくことで、私たちの想いを響かせ、皆にことばを届けていきたい。その可能性が、ことばが、私たちの運動をさらにブラッシュアップし、地域の皆さまに広く知っていただくことが松山青年会議所のブランディングにつながると確信している。
すべての子どもたちに機会提供を
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私たちはこれまで、わんぱく相撲まつやま場所をはじめ、様々な青少年育成事業を通じて子どもたちの心身の健全な成長、社会生活に必要な徳性を養う機会を提供してきた。目の前のことに本気で向き合い、喜び、時に涙する子どもたちの姿は私たちの心を動かし、青年会議所メンバーの成長の機会にもつながっている。しかし、子どもたちを取り巻く家庭や地域社会の在り方は日々変化しており、親と子どもの関わり方や社会から求められる課題も変わってきている。子どもたちを取り巻く様々な問題を他人事とは思わず当事者意識を徹底したうえで、地域の子どもたちに真に必要とされているものは何なのかを改めて考え、新たな事業を実施したい。既存の概念をぶち壊し、私たちだからできる熱く血の通った事業は、社会のたからである子どもたちに最高の笑顔と最高の思い出を必ず提供できると確信している。
人と人を結び、志を共有する
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日本という国を形作り彩り紡ぎながら今に至る歴史を紐解いたとき、いつの時代にも個性溢れるひと・輝くまちがあり、その時代それぞれにともに活動する仲間がいる。これまでもこれからも、社会に影響を与え、時代を変えていくのは魅力溢れる人の集う組織であり、青年会議所はいつもその先頭にいた。今後の人口動態として青年が減少していくのは確実な状況の中で、私たちは志を共有する仲間を必ず増やしていかなければならない。青年会議所の基本運動である会員拡大をメンバー一人ひとりが自覚し、事業等の青年会議所活動に関わる中ではもちろん、日々の生活の中でも全員拡大を実践していく。また、入会歴の浅いメンバーにも出向や事業への動員といった成長の機会を提供し、個の成長から組織の成長へとつながる取り組みを行っていきたい。人と人を結び、摩擦を起こしながらでも前へ進むことで、人はいくつになっても人と出会うことでよりよく変われると私は信じている。
地域を照らし、人に輝きを
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連綿と受け継がれた運動により3 市3 町との連携がより強固なものになるとともに、気づけなかったまつやまの魅力を私たちは見出し体感することができた。その素晴らしきたからを限られた人だけが理解し共感するのではなく、私たちがひととひと・まちとまちを つなぐハブになり多角的にまつやまの魅力を引き出し広く発信できるような運動を推し進めていきたい。また、若者の郷土愛を醸成することのできるまちづくりを先導するために、自分たちで自分たちの地域の持続可能性を考え、これからの時代を生きる若者と対話し、地域とともに共創していけるきっかけを生み出す事業構築を行いたい。いつの時代でもその地に住み暮らすひとの輝きが、地域を照らし、その地域がよりよくなると確信している。
伝統を重んじ、国を愛す
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遊び場の少ない子どもたちにスポーツの機会をより多く与え、心身の鍛錬と健康の増進を目的として1977 年に社団法人東京青年会議所が展開を行ったわんぱく相撲は、東京23 区にとどまらず日本国内200 地区までの広がりを見せている。2024 年度は全国で5 回目の開催となるわんぱく相撲女子全国大会を主管させていただく。2014 年に開催された公益社団法人日本青年会議所第63 回全国大会松山大会以来となる全国に向けてまつやまの魅力を発信することのできる機会をいただく私たちは、地域の代表として必ず大会を成功させより多くのまつやまファンを獲得する必要がある。松山青年会議所だけでなく、地域一体となり、訪れる皆さまにおせったいの心を伝えるとともに、ことば溢れる事業構築を行い「ことばを大切にするまち」であることを市民の皆さまにも伝播させていきたい。また、子どもたちには相撲という国技を通して社会生活に必要な徳性の涵養の場を与えるとともに、長きにわたる歴史の中で変わることなく重んじられてきた伝統を知っていただき、日本という国に対する郷土愛の醸成へとつなげたい。
いま以上のまつやまを
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愛媛県内8 つの各地青年会議所の集合体である公益社団法人日本青年会議所四国地区愛媛ブロック協議会は公益社団法人日本青年会議所の運動を愛媛県で推進するだけでなく、志を同じくする青年の絆をより強固なものにしている。2024 年度は2015 年度以来の主管となる第54 回愛媛ブロック大会をまつやまの地で開催させていただく。3 市3 町と共創し地域の特色ある大会を構築するとともに、限られた時間の中でしか得ることのできない「出会い」と「経験」の場として皆の胸に刻みたい。また、メンバーにとっても貴重な経験となるこの大役に松山青年会議所全体で取り組み、これから先の松山青年会議所を担う人財を育成できる機会としたい。諸先輩方が築き紡いできた歴史を受け継ぎ果てることなく未来へつなげていく覚悟を持った私たちならば、皆さまに「いま以上のまつやま」を体感していただけると確信している。
結びに
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71 年の長きにわたり時代に即した運動を展開し続け、地域を先導し続けることがどれだけ大変なことであり、どれだけの人の覚悟の上に成り立っているのか私には想像もつかない。しかし、多くの困難の中考え、工夫し全てに打ち勝ってきた私たちならその歴史を紡ぎ、よりよい形で次代へと継承することができると確信している。
一度しかない人生を誰より熱く、限られた時間を精一杯生き、出会いも経験も全てやる
今この時をともに生きる誰もが少しの後悔もしないために
人生一度 限られた時間を 全てやる